漢字の「帖」と「帳」。その違いは?
「手帖」や「手帳」など「帖」も「帳」もほぼ同じような意味合いで使われていたりするのけれど、実際のところどんな違いがあるのでしょうか?
帖とは
じょう〖帖〗 ジョウ(デフ)・チョウ(テフ)
[名]折り本。折り手 (で) 本。また、屏風 (びょうぶ) など折り本ふうに仕立てたもの。書きつけ用の冊子。帳面。「手帖(てちょう)・画帖(がじょう)」など
[接尾]助数詞。
- 折り本・屏風・盾 (たて) や僧の袈裟 (けさ) などを数えるのに用いる。「宇治十帖」
- 幕を二張りずつまとめて数えるのに用いる。「天幕五―」
- 紙・海苔 (のり) などをひとまとめにして数えるのに用いる。
美濃 (みの) 紙は48枚、半紙は20枚、ちり紙は100枚、海苔は10枚を1帖とする。- 「畳 (じょう) 」に同じ。「六―間」
帳とは
ちょう〖帳〗 チョウ(チヤウ) とばり
- 帳面。帳簿。「雑記帳」
- 部屋の仕切り、また、目隠しのために垂らす布帛(ふはく)。とばり。たれぎぬ。
とあり、どちらも冊子を表す意味を持っているので、特に大きな違いはないのかなと思いますが、さらに辞書の用例を見ると、
- 「帖」:書きつけ用の冊子。帳面。「手帖・画帖」
- 「帳」:(書きこみ用に)紙をとじた冊子。「帳面・帳簿・台帳・通帳・日記帳・電話帳」
とあるので、どちらかというと「帳」の方が、より公的なものを書き留めるものに使われている印象ですね。
「帖」と「帳」の違いは当用漢字かどうかだけ?
「帖」と「帳」は意味も使い方もほぼ同じようなものですね。
じゃぁ、なぜ違うのか?というのは、当用漢字かそうじゃないかだけではないかと。
当用漢字とは、
第二次世界大戦後に、漢字乱用の弊を除く目的で、現代国語を書き表すために,日常使用する漢字の範囲を定めた「当用漢字表」に掲げられた1850の漢字。1946年(昭和21)に開始され、1981年(昭和56年)に新しく定められた「常用漢字表」に吸収され廃止されました。
現在は特に「常用漢字」じゃなければ使えない訳ではないので、どちらも自由に使えます。ただ「当用漢字」を採用していた1946年~81年の間、「帖」の字は「当用漢字」になかったため使えなかったそうです。
そのため「帖」の代わりに「帳」が多く使われ、「手帳」のように「帳」の方が多用されるようになったのかなと思います。手帳は元々は「手帖」という字が使われていたそうです。
今ではノート類という意味を表す場合はほとんどが「帳」が使われていて、「帖」はあまり見かけないですね。
ちなみに常用漢字とは、日本において日常で文字を書き表すために選ばれた漢字のことです。主に新聞などですね。
楽描き「帳」ではなくて楽描き「帖」
色々調べてはみましたが、本来の意味を考えると「帖」の方がよりメモ帳的な意味合いに近いのではないかなと思います。
「帖」には折り本や手本、紙・海苔などを数えるのに用いたりと紙や冊子に関係してる感じが「帳」よりもするので、ブログのタイトルも「ミミの楽描き帖」にしました。
あと、パターン集や図案帖の本のタイトルには「帖」が使われてる傾向があるので、それに乗っかってみました(^^)。
あ、朝ドラで話題の「とと姉ちゃん」も『暮らしの手帖』ですね!